家政婦は見た NO.2

Yuko-Nakamura2012-02-27

家政婦仲間で一番しっかりしている中川ひろ子(通称ロコちゃん)にも、
「現在広島に里帰り中のお嫁さんが無事出産したので手伝いにきてほしいという」、
お坊チャマからの業務命令が27日舞い込みました。子供の誕生はおめでたいものです。


早速,行ってくれば・・・と思ったのですが、私が留守を任せているため他の業務で手一杯なのと、
私のようにわがままな海外暮らしのお嬢様からの依頼だと有無を言わせずと言う所がありますが、
さすがお坊ちゃまからの依頼は多少クール。
時間を見て、広島に行ってくるそうです。


さてさて 家政婦は見たシリーズ第2弾。
前号からの続き、お産@サンフランシスコです。


日本でも望めばだれでも立ち会えるようになってきているらしいのですが、
私の頃は ご主人でさえダメ、他の人はもってのほかでございました。
ところが奥様のリクエストで 私はずっとご一緒に。 
病院に行く前に大量のおにぎりと母乳の為に根菜たくさんの豚汁を作り、それを持っていざ病院へ!
病室のソファーに泊まり込み 陣痛が激しくなるのを ゆったりと待ちました。
その頃は 家政婦以外の仕事と言えば カメラマンくらいでしたが・・・。


産婦人科の先生がいらしてベッドを分娩台に変えてから3時間
つまり奥様がイキミ始めて3時間。
家政婦の私は
陣痛の間に 奥様の口に、水がほしいと言えばストローで飲ませ、
氷がほしいと言えばスプーンで頬張らせ、
腰が痛いと言えばさすり、
う〜〜〜わがままな奥様!!


それに見てしまいましたの!
ご主人様にはもっと激しい口調で
あれやれ これやれと まああああ本当に!
こちらが申し訳なくなってしまいます。


しかし、運動会の二人3脚のようなお二人力を合わせてのお産は
素晴らしかったです。
あまり詳しくは デリケートな問題もありますので書けませんが、
ご主人さまと奥様は 綱引きをしたり、
あっち向きこっち向きの柔軟体操を手伝ったり
それはそれは 壮絶でした。
その場合の鬼コーチは やはり奥様でしょうか?!


家政婦の私は あちらこちらに気を使いながら
ハイ、氷、ハイ、お水、ハイ、うちわ、ハイ、おさすり、
ハイ、カメラ、ハイ、ビデオ
そして時には 本当に本当に神様にお祈りする為
一緒に持ってきていたお守りの束を手に握りしめ
「神様 無事に赤ちゃんが産まれますように」と祈っておりました。


先生が増えてきて ちょっと離れた所で腕を組みながら何かを
小声で話している。
看護婦さんも いろいろな意見が出てくる。
不安材料がたくさんでした。


赤ちゃん誕生の瞬間は 本当に感動です。
奥様はもちろん ご主人様も泣いていました。
私もカメラ片手に泣きました。
良い写真が何枚か撮れました。
業務命令にあったようですので
カメラマンとしての特別料金は期待していません!
アッ、それにもともとボランティア家政婦でございました。
それ以上に すばらしい体験と感動をいただけたと
本当に思っていますもの・・・・


そう言えば 業務命令で 『ご主人が「へその緒」を切る時に、
ビデオではなく カメラに収めて!』と言われておりましたのに、
戦争状態の現場・・・この眼で 
『我が子のへその緒を切る ご主人様』を確認したものの
実はカメラに収める事はできませんでした。
う! 奥様 気がつかなければ 良いのですが・・・・


母のおっぱいにすがる赤ちゃん、
あのわがままなお嬢様も立派な母親の顔になるものでございます。


さて 今日はこの辺で
家政婦は見たNo.3で その後をお話しいたしましょう。