3Dの世界

またまたずいぶんご無沙汰してしまいました。
冬の寒さ 桜を愛で はなみずきが咲いていると想い、季節を
感じているのですが、なんだか月日がたつのがとても早い気がします。


ミャンマーのサイクロン、中国四川の地震、ガソリン、食料・・・
いろいろなことが起こっています。地球が怒っています。


被災された方々の映像を見ていていつも想うのは、
何万人死亡、負傷・・・と、いとも簡単に数字が出ますが
そこには人間一人一人の愛するものを奪われた悲劇や苦しみが渦巻いている。
サイクロンや地震のような自然の力には人間は対抗できないので 仕方ない・・
と思わないとやっていけないけれど
人の命を人が抹殺するような戦争や争い、事件などは
起してはいけないと感じます。


話が変わって、今年のゴールデンウイークは用事もあって
ニューヨークに行ってきました。
ミュージカル、ジャズ、そして美術館とたっぷり芸術に浸ってきました。


メトロポリタンミュージーアムでは有名画家の作品を
ゆったりと間近に見る事ができ,毎日何万人もの人に愛されている作品を
残した画家のエネルギーと才能を感じました。
今度日本に来る(?)フェルメールの作品にも会ってきました。


今回はなんといってもMOMAの現代アートに触れたときに
人間って凄い・・・って感じました。
時差ぼけでフラフラ状態だったのですが、現代アートを創り出す人の
発想のユニークさおもしろさ緻密さに仰天したのですが・・・
全く立場を違えて見ると、細胞から作り出されている人間自体が
芸術の題材として神秘的な究極の物体なのです。


男女を問わず裸体の美しさは過去をさかのぼりだれもが表現してきたものでしょうが、
現代アートでは人間が発する臭い(辞書によると悪い臭い)?ん?
匂い(辞書によると良いにおい)? までもが 題材になっています。
おもしろい。頭の中で考えた事 不思議に思ったことを表現するって
本当に素晴らしい事だと 感じました。
ふと 今まで食わず嫌いだった現代舞踊の良い作品を見てみたいと
思いました。


決まったことに捕らわれず、自由な発想で創り出されていく芸術作品は
観客にとっては「現在とちょっとした未来」を体験できるものではないかと
感じました。


世界で起こっているいろいろな現象を考えると 
こんな贅沢な事ができて申し訳ないなあ・・・とも思いますが、
人間は生きていれば 音楽、歌、絵、彫刻を作り出す力があり
また写真や映像で人に訴える術があります。
それによって癒されたり、元気付けられたり、感動したり、考えさせられたり
するものだ・・・と改めて感じ、芸術は心の処方箋だと実感しました。


ミャンマーや四川の被災者でさえ 生き延びる事に一段落したら、
子供の笑顔やお母さんの歌、砂の上の絵やブリックをたたく音などに
勇気付けられ 元気をもらって生きていくのだと思います。


ニューヨークで眼にした作品の数々は 
研ぎ澄まされた才能のある人が磨きぬいたものですが、
生み出される原点は 同じなのではないでしょうか。


こんな話を秦万里子とした後に 
「3Dの視点、世界観を大切にして行こうね!」と 二人で確認しあいました。