作品のできるまで・・・・

Yuko-Nakamura2005-05-19

今まで勤めていた銀行を辞めて、
奥様と二人で山の中のペンションを経営している
小柄なトドの会の副会長(どんな感じの方か、想像つきますでしょう?!)。
今まで針を持ったことがないのに、
一針、一針、3センチ四方の布をパッチワークして
8年かけてペンションのベッドカバーを7枚作ったそうです。


話だけでは、男性がパッチワークをしたこと、
よく8年も根気が続いた事に
ふ〜〜んすごい!!と、思ったのですが
実際ペンションのベッドにかかって、
使われている趣味の良い作品を見た時、頭が下がりました。


また、実、葉、根っこなど山で材料を採集し、
庭でそれを煮て染料を作り、
糸を染めて、丁寧に紡ぎ、はたおり機に一本一本セットして、
出来上がった着物を想像しながらできるだけ一定の強さで織っていく。
糸で手が切れたり、あまりに細かい仕事で肩が凝ったり・・・
布の時に美しいと思っても、着物に仕立て上げた時柄が合わないと
作品にはならないそうです。
趣味で始めた事が、審査員をうならせるような芸術作品を作るまで
その道を追求した従姉妹。


他にも、ギャラリーの経営者、陶芸家、ピアニスト・・・・・
今回の大分では、自分の道をしっかりと追及している
すばらしい方々にお会いしました。
何でも、作品になるには、想像以上の時間をそのことに費やして
創り上げられているのだと改めて感心しました。


5月14日、大分の能楽堂”音の舞”黄金井脩 大地の唄ツアーは、
昨年の夏、会場を見たときに 一味違ったコンサートができるのではないかと思い、
時間をかけて創り上げてきました。
椅子を東京から送ったり、衣装を大分出身のデザイナーの作品をお借りしたり、
こだわりを持って・・・・
お陰様で、殆ど満席のすばらしいコンサートになり、
ご協力いただいた多くの方々にこの場を借りまして本当に感謝いたします。
ありがとうございました。


能楽堂で黄金井さんが、はじめてお客様の前で披露した歌が2曲ありました。
オリジナルで彼の大分への思いをこめた”Oita”
(リズムとメロディーが気持ちよく、頭に残ります)と民謡 ”俵積み唄”です。
プロの歌手が、お客様の前で新しい歌を披露する・・・・これは大変なことだと
感じました。
材料を色々な場面で集め、それをばらばらにして組み立て、
曲と詞を紡いでいく。時間をかければできるものでもないと思いますが、
自分の心の中に持っている引き出しに物がいっぱいないと、
ぴったり合ったものには、ならないのでしょう。


今回、出演していただいた庄内神楽の首藤さん。
能楽堂と黄金井さんをうま〜く融和させてくれる立場を演じてくださいました。
首藤さんが活躍している庄内神楽が、
高千穂と出雲の流れを汲んだとても珍しいものだと言うことを知って、
日本中を渡り歩いた出雲出身の俵積みの名手の民謡 “俵積み唄”を選んだそうです。


俵積みの名手と黄金井さん自身が重なる所があるのでしょうが、
日本全国で活躍している黄金井さんが、
大分の能楽堂でコンサートを開いたと言うことは、
芸術家が作品を一つ大分で仕上げた・・・・
感じでしょうか?! 
NYパワーハウスがそのお手伝いができたことは
企画者冥利に尽きます。


今後も、また一つ一つの美しいパッチワークの小さな布が、
大きな作品になっていくように、
黄金井さんは、一つ一つのライブを大切に、全国を忙しく廻って
皆様の魂に触れる歌を歌い、その思いを歌に作っていくのだと思います。
NYパワーハウスもまた応援しま〜〜す!


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